「お嬢さんを俺にください!」
陽介の選んだ服で
陽介が選んだレストランでディナーして
予約したホテルにチェックインした
帰りたい
「優里愛、お腹いっぱい?
食べきれなかったら残しても良かったのに」
「美味しいのに残したりしたら
作ってくれた人に失礼だよ」
「優里愛の口に合ったなら良かったよ
あそこにして良かった
また行こうか」
料理もすごく美味しくて
雰囲気もよかった
素敵なレストラン
でも…
陽介の「また行こうか」には返事はしなかった
「コレ…
陽介気に入るかわからないけど、プレゼント
ワインなんだけど、父が選んだの」
「ワイン好きのお父さんが選んでくれたんだから
間違えないね
せっかくだからフロントに電話して
グラスを借りるよ
本当は優里愛も飲めたらいいのにな」
何にしていいかわからなくて
父にワインを選んでもらった
父が選んだ物なら
陽介は文句を言わない気がした
陽介はいつも私を否定する
父のことは尊敬してる
いくら大人っぽい服を着て大人っぽく見せても
結局、私の事は子供だと思ってる
物だと残るからワインにした
口に合わなかったら流せばいい
嫌な物、残っても仕方ないもんね
「ワインも優里愛が働いたお金で?」
「んーん…
父に言って買ってもらったよ
すごく高いみたい
私には価値がわからない」