「お嬢さんを俺にください!」

「ごちそうさまでした
美味しかった」



「そお?」



「ユーヤは美味しくなかった?」



「俺は毎日食べてるし…」



同じ食べ物でも好きな人と一緒に食べると
ずっと美味しく感じるはずなんだけどな



ユーヤはもぉ私のこと…



「着物、どーする?」



窓際に掛かった着物を見てユーヤが言った



「ん?」



「自分で着れないんだろ」



「うん…」



「じゃ、畳んで持ってく?
俺の服しかないけど大丈夫?」



帰れってことか…



「ユーヤ…」



「ん?」



「ごめんね、来て…」



「なに?
このお化け屋敷見て、来たこと後悔した?」



「んーん…」



ユーヤの反応で
ユーヤはやっぱり来ないでほしかったんだな…
そう思った


でも私は来たかったんだ

ごめんね



「お化け出そうで怖くね?」



「怖くないよ

怖くないけど…
ごめんね

来て、ごめん…

でも…

でも…会いたかった…

ユーヤに会いたかった」



「…」



また返事はない



「ユーヤ…」



「…」



「ユーヤ…なんで返事してくれないの?」



またユーヤを責めてしまう


ユーヤの返事を
受け入れる覚悟もできてないのに…


自分の期待した返事じゃなければ
きっと泣いて

またユーヤを困らせる



わがままで自分勝手で
ホントは子供な私

陽介はそれを許さない

許してくれない



ユーヤは
いつも私を許してくれるって甘えてしまう

それでユーヤを苦しめてるかもしれない



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