「お嬢さんを俺にください!」

「レーニャ、俺、怖いんだ

レーニャ、俺の気持ち、知ってるよね?」



「ユーヤの…?気持ち…?」



「うん…

前に言ったよね?
俺、レーニャのこと好きだよって
もぉ、忘れたかな…」



「憶えてるよ!
ちゃんと憶えてる」



でも

アレからユーヤは「好き」って
言ってくれなかった



「だから…怖い

俺もレーニャに会いたかったよ

会いに来てくれて
スゲー嬉しかったし…

ずっとレーニャのこと考えてて…

忘れたくても
あー…やっぱり好きだな…って…」



ユーヤの好きな人は
あの、お菓子屋さんじゃない?

あの人の名前が一度も出てこなくて
ちょっと安心してしまった



「まだ、好き…?私のこと…」



「うん…好きだよ」



陽介と違う

ただ好きだよって
真っ直ぐ言ってくれる



「でも…ごめん…

レーニャを幸せにできるのは
俺じゃない

わかってるけど
諦められなくて…

ダメなんだ
レーニャのこと、どんどん好きになる

だから、怖い」



「なんで…?
私もユーヤのこと好きだよ

ユーヤといると幸せだよ

好きだよって
そう言われたら
もぉ何もいらないと思った」



大好きな人から言われる
好きだよ


その言葉だけで
どんなに幸せか



それだけで私は…

それだけで私達は…



「ユーヤ、また一緒にいたいよ」



「…」



気持ちは通じ合ってるはずなのに
ユーヤは答えない



それだけじゃ私達は
一緒にいれない


わかってるから
ユーヤはちゃんと答えない



「ユーヤ…
誘拐してよ

私のこと、誘拐して…

ずっとユーヤと一緒にいたい」



ユーヤの返事は…



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