「お嬢さんを俺にください!」
「大家さん元気そうでよかった」
冬の晴れ間
気持ちがよくなる空
真冬の空の下
レーニャと並んで歩く
「うん、レーニャに会えて嬉しそうだった
でも変なこと言ってたな」
「変なこと?」
「大家さんボケたのかな?
俺とレーニャの結婚式とか…」
「大家さんはボケてないよ
いとこは、結婚できるんじゃない?」
「そーだっけ?」
いとこは結婚できたとしても
俺とレーニャはいとこでもないし
結婚もできない
虚しくなる
「じゃあ、今度行ったらちゃんと言おうか?」
「なんて?」
レーニャには
俺じゃない婚約者がちゃんといるって?
「ユーヤは海外に行くから
私と結婚なんかしないよって…」
え…
結婚できない理由がそれなら
俺は海外なんて行かないよ
「ユーヤがいなくなっても
私が大家さんのところに遊びに行くから大丈夫
だからユーヤは心配しないでね」
レーニャが少し寂しそうに言った
「ユーヤがいなくなっても
私はユーヤが好きだよ」
レーニャは笑って言ったけど
目に涙が溜まってた
「ユーヤ、手繋ぎたい
手を繋げるうちは繋いでたい」
俺が何か言う前に
レーニャが俺の手を繋いだ
俺も
ずっと繋いでたいよ
許されるなら
俺もレーニャと結婚したいよ
許されるなら…