「お嬢さんを俺にください!」
スー…スー…スー…
俺の肩からレーニャの寝息が聞こえてきた
夢物語みたいに話しながら眠ってしまった
叶わないとしても嬉しいよ
夢なら覚めなきゃいいのに…
このままずっと夢物語が続けばいい
スー…スー…スー…
無邪気に寝てる
可愛くて綺麗で素直で
一緒にいると楽しくて
こんな俺を好きって言ってくれる
「ユーヤ…」
「え…レーニャまだ起きてる?」
「…」
「なんだ、ねごとか…」
長いまつ毛は下を向いてる
白い肌にピンクに透ける頬
綺麗な顔
レーニャの顔に近付いた
触れそう
触れたい
ドクン…
触れたら…ダメだ
ーーー
レーニャ?
今、触れた
レーニャの唇が俺の唇に重なった
「レーニャ…?」
「ユーヤ…」
レーニャのまつ毛がゆっくり動いた
「レーニャ、今…」
キス、したよね?
触れたのは、俺じゃない
「ユーヤ、好き…大好きだよ」
やっぱり、キスだったよな?
「俺も、好きだよ
スゲー好き…」
レーニャは微笑んで
レーニャの長いまつ毛はまた下を向いた
ドクン…
触れたい
ただ触れたい
レーニャに
好きだったら
そう思うことは普通なことで
ーーー
今度は俺から触れた
ドクン…
俺が触れたら
ーーー
また触れた
溢れる想い
おさえられない感情
身体が熱くなって心拍数があがる
もっと触れたくなったけど
それはできなかった
レーニャのピンクに染まった頬が
ひとすじ光った
レーニャ
その涙の意味は何?
ずっとこうなりたかった
レーニャに触れたかったのに
高揚と罪悪感が入り混ざる
胸に残る切なさ
触れてよかったのかな?
俺達