「お嬢さんを俺にください!」

キスをして
ふたりソファーで寄り添って
いつの間にか寝てた



外の明かりで目が覚めた



スー…スー…スー…



レーニャの温もりとレーニャの寝息

甘い匂い



昨日キスしたんだ

レーニャと



確か…したはず…



自分の口を触ってみる



んー…わかんねー

たぶん、した



しかも先に触れたのは
レーニャだった…はず…



スー…スー…スー…



無邪気に寝やがって

可愛いけど



レーニャ本当によかった?

後悔してない?



スー…スー…スー…



レーニャあれは
どんな意味のキスだった?


レーニャあれは
どんな意味の涙だった?



キスしたからって
俺達はずっと一緒にいれるわけでもなく

キスしたからって
レーニャはあの人と結婚するんだろ



俺はあの人に何されても
レーニャを好きでいる



好きでいても
きっと俺とレーニャはどおなることもないけど



スー…スー…スー…



レーニャ
起きたら昨日のことはなかったことに…って
言うかもしれない



そんな気もする



そしたら俺は…



限界だ、俺



「んー…ユーヤ…」



「レーニャ、起きた?」



「んー…おはよ…」



「うん…おはよ…」



んー…で…?



レーニャが俺に抱きついた



え、レーニャ待て



ドクン…



ヤベー、動けない

硬直



「ん…ユーヤ…」



「うん…なに…?」



さっき浮かんだ言葉が
頭を過ぎる



昨日のことはなかったことに…



「ユーヤ…」



「な、なに…?」



息を飲む



「好き…」



違った



痺れる



「レーニャ、ちょっとそれ反則」



「はんそく?」



や、可愛すぎ…

そーじゃなくて!



「あのさ…
レーニャ、今日帰った方がいい」



俺から言わなきゃ



「え…なんで…?
まだ、冬休みだよ」



俺達はふたりで
好きとかずっと言い合ってたって

先がない



だから…



「レーニャ、帰ろう」



「ヤダ!
まだ学校始まらないし…
まだユーヤと一緒にいたい」



「家まで送るから、帰ろう」



このまま一緒にいても

俺達は幸せにならないよ



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