「お嬢さんを俺にください!」

「ここ…
今、暖房入れるから…
とりあえず中入って…
タオル持ってくるから…」



アパートの玄関で女性にバスタオルを渡した



暗い部屋に灯りと暖房をつけた



外が寒すぎるうえに
足止めくらったし

いつもより
部屋の寒さが気にならなかった



狭い玄関で女性は濡れた身体を
ゆっくりバスタオルで拭いた



「大丈夫?じゃねーかもしんないけど
とりあえず、靴脱いで中どーぞ…

えっと…部屋が温まるまで
なんか温かい飲み物…なんてないや…

あ!とりあえず…シャワー!
シャワーしたほうが…」



知らない人のアパートで
いきなりシャワーしないか…


でもそれどころじゃなく
身体濡れてるし冷えてる



「…あ…ありがとう…ございます…」



慌ててる俺と対象的に
ゆっくり凍える声で女性は言った


綺麗な声だった



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