「お嬢さんを俺にください!」
とりあえず生きてた
なんであんなところに…
冷たくて硬い指先
え…まさか…
足、あったよな?
オバケじゃねーよな?
雪女?
やめろよ
寒気する
ちゃんと歩いたし
人形でもない
だから
雪の日に酔い潰れたキャバ嬢だって
高そうな香水の匂いが一瞬した
わりとしっかりメイクしてたし
髪も雪で固まってたけどセットされたふうだった
あんなドレス着てるのは
キャバ嬢か
どっかの国のお姫様だろ
それにしても…
こんな雪の日に
あんな格好で
こんなアパートの前に
やっぱり
事件か
事故か
ただのバカか
だから
雪の日に酔い潰れたキャバ嬢だって
知らんけど
綺麗な人だった