「お嬢さんを俺にください!」

ユーヤのおかげで
私は今、ここにいるんだよ


なのに何言ってるの?


なんで悪く言うの?



洗脳されてるって…
なんでそんなこと言えるの?



ユーヤに言われて
私の事がニュースになってることを知って
ひとりで近くの警察に行った



本当はずっとユーヤといたかった

幸福荘で
ユーヤと一生暮らしたいとも思ってた



ユーヤには迷惑かけたくないから
警察にはユーヤのことは話さなかった



帰ったら父と母が心配してる姿を見て
この人達が私の両親なんだって思い出してきた



可愛がってた愛猫は
身体をすり寄せてきた

私を忘れていなかった


そーだ!
この子の名前がレーニャだった

すぐに思い出した


ユーヤに名前を聞かれた時
思い浮かんだ名前がそれしかなかった


その事がおかしくなって
ひとりで笑ったら母に心配された



本当に楽しかった
ユーヤと過ごした1ヶ月


母にユーヤのことも大家さんのことも
たくさん話した


母は私の様子を見て
「いい人達に巡り会えてよかったわ」と言った



スマホの画像を見ながら
友達のことも少しずつ思い出した



学校のノートを開いたら
勉強は記憶からなくなってなかった



すぐにでも学校に行けたのに
父と母が心配して私は病院に入院させられた


病気じゃないのに
よくわからない検査をした


大丈夫なのに…
どこも悪くないよ



明日退院して
来週から学校に行く



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