「お嬢さんを俺にください!」
「優里愛!」
男の人の声
ユーヤは私をそう呼ばない
優里愛って呼ばれても
嬉しくない
「あ、さっき噂してたから
彼、迎えに来てくれたんじゃない?」(小声)
友達と駅に向かう途中
路地に停まってた車から彼が顔を出してた
「優里愛、今帰り?
ちょうどよかった
乗ってく?
よかったら、友達も…」
「あ、私は結構です
カレシと駅で待ち合わせしてるので…」
「また優里愛をよろしくお願いします
何か困ってたら相談に乗ってもらえると
心強いな…
女子同士の方が
話しやすいこともあると思うし」
「私でよければいつでも」