偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました
息継ぎで微かに揺るんだ恋の唇のあわいから秀のねっとりとした熱い舌が差し入れられる。
「っ……んぅ、あっ……ふ、ぅ」
熱くざらついた舌で探るように歯列をなぞり、口蓋をチロチロと擽られているうち、咥内はすっかり蹂躙され、いつしか恋の身体からはくたりと力が抜けていた。
今にも膝からふにゃふにゃと頽れてしまいそうだ。
甘美なキスに酔い痴れながらそんなことを案じていた恋の腰は、秀の逞しい腕により、掬うように抱き寄せられた。
もう秀の支えなしでは立っていることもままならない。
秀にすべてを委ねしなだれかかると、秀のもう片方の手が恋のなだらかな身体の曲線をなぞるようにして彷徨いはじめる。
それだけで奥底に眠っていた雌の本能が呼び起こされ官能を高められてゆく。
キスの合間に、恋の甘ったるい吐息と媚びるような艶めかしい声音とが重なり合ったふたりの唇のあわいからまろび出る。
「あっ、ふぅ……んっ、んぅ」
それらに呼応するように身体は熱せられ下腹部の奥がキュンと切ない音を奏でる。
恋の背中が壁に到達すると同時、余裕なさげな秀に、「ベッドに行くぞ」と耳元で囁かれコクンと頷くと、お姫様のように横抱きにされて寝室のキングサイズのベッドまで運ばれた。
そうしていよいよというとき、いつものようにゴロンと横向きにされ背後から抱き枕の如くぎゅうっと抱き竦められ、耳元に顔を埋めると、甘やかな声音で囁いてくる。
「恋、俺はこうして恋と一緒にいられたらそれだけで充分だから、無理はしないでほしい」
密着したところから秀の優しさがじんわりと伝わってくる。秀の滾るように熱くなった昂りも一緒に。