偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました

 同時に恋の身体を覆い尽くすようにのしかかってきた、秀の大きな身体にふわりと抱き込まれ。

「恋、大丈夫か?」

 秀の苦しそうな声音が恋の耳朶を打つ。

 押し開かれ引き攣れたような痛みはあれど、我慢できないほどでもない。

 それよりも、秀と心も身体も結ばれた証だと思えば、痛みまでもが愛おしいと思えてくる。

「うん、ちょっと痛いだけでなんともない。それより秀のことを受け入れられてすっごく嬉しい。もう、このまま死んでもいいってくらい幸せで怖いくらい」

「そんな風に言ってもらえて嬉しいけど、冗談でも死ぬなんて言うな。こんなもんじゃないからな。世界一幸せにしてみせる。まずは天国に連れてってやる」

「天国ってどうーーあっ、きゃっああんッ!」

 想いのままに紡ぎ出した恋の言葉に、異を唱えてきた秀の最後の言葉を恋が聞き返そうとしたときには、慣らすためだと言って、動かずにいてくれた秀に、ズクンと勢いよく腰を突き上げるようにして穿たれてしまい、紡ぎかけた言葉は嬌声へとすり替えられてしまっていた。

 広すぎる部屋に、興奮しきった秀の、荒々しい息遣いと獣の咆哮のような呻き声、それらに紛れて恋が途切れ途切れに放つ、艶めかしくも悲鳴じみた嬌声とが絶えず響いては消えてゆく。

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