偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました
長年の想いを恋の身体に刻み込むかのようにして、秀の甘くも狂気めいた愛を絶えず注ぎ込まれた恋は、宣言した言葉通り、幾度となく天国のような絶頂へと導かれた。
だが意識を失いかけるたびに秀に呼び戻され、熱烈なキスの嵐をお見舞いされては、とろとろに骨抜きにされてしまい、恋の身も心も秀で埋め尽くされてゆく。
秀の起こす、強烈な快感の大きな波に翻弄されて、恋は思うように力の入らない腕で必死になって秀の背中に縋りつくのに精一杯だ。
「くっ、あぁ、恋……れんっ」
「あっ、はぁんッ……すっ、ぐ、るぅ」
それからは、もう、熱に浮かされたみたいに愛おしげに幾度も幾度も名前を呼ばれながら身体を激しく揺すられ続け、気づいたときには、窓の外はすっかり白みはじめていて。結局恋が秀から解放してもらえたのは、冬の澄んだ青空にお日様が高らかに登り切った頃だった。
いつものように目を覚ますと、さも当然のことのように、恋は秀の腕に抱き込まれていた。
あたかも恋の身も心も秀にとろとろに蕩かされてひとつに溶け合ってでもいるかのよう。
恋は甘い甘い微睡みの中で天国のような多幸感をいつまでもいつまでも味わっていた。