偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました
ただでさえほろ酔い気分の心地よさの中。先程までの優しいキスは何だったのかと思うほどに、キスはどんどん激しいものとなり、より一層深まり濃厚さを増してゆく。
口腔を余すことなく蹂躙し、戸惑う恋の舌をカレンの滾るように熱くねっとりと舌が逃がさないとばかりに搦め捕る。
「あっ……ふ、んぅ」
辺りに、互いの乱れた熱い吐息と溢れ出た唾液とが奏でる、濡れた音が淫らに響く。
その中で互いの肌と舌同士が擦れ合い、縺れあうたびに、甘やかな痺れが次々に生じる。
身体の奥深くまで飛び火して、小さな火種が共鳴でもするかのように、燻り続ける。
それらが徐々に身体の隅々にまで及んで、滾りに滾ったマグマのように炎をくゆらせながら駆け巡る。
やがて膨張し、今にも爆ぜてしまいそうだ。
その頃には、恋の身体からくたりと力が抜けきっていた。
ただただカレンの腕の中で、潤みきった眼から涙を流しつつ、身悶えながら身を捩り、カレンの背中に必死になってしがみつくのが精一杯だ。
恋にはもう何かを思考するような余裕など一切ない。
そんな有様だったものだから、カレンによって衣類を一枚一枚花弁でも捲るようにして、焦らすように剥ぎ取られ、一糸まとわぬあられもない姿を晒していることにも、まるで気づいてなどいなかった。