偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました

 ほうっと見蕩れてしまっている恋の隙でも突くかのように、何とも嬉しそうな声音で放たれた。この。

「再会して以来、ずっとずっとこうして触れたいって思っていたんだ。一度でも触れたら、もう後戻りなんかできない。否、後戻りなんかして堪るか。もう絶対に離したりしない。何があっても絶対に」

 カレンからの要領を得ない言葉の意味を恋が理解するよりも先に。

 ……否、カレンには端からそのつもりなどないのだろう。

 続けざまに、あたかも恋に思考する余地など与えないとばかりに、何やらたっぷりと含みを持たせた意味深な台詞が放たれた。

「そのためにも、今はのこ素直な身体に嫌ってほど教え込んでおかないとな。恋が誰のものであるかってことを」

 それらを恋が耳にしたときには、身の危険を察する暇も与えられないままに、カレンによって、包み込まれていない方の胸の先にむしゃぶりつかれてしまっていて。

「あっ、や、ひゃんっ」

 強烈な刺激に身体を貫かれてしまった恋は、雷でも打たれてしまったかのような大きな衝撃に背中が弓なりに仰け反り、のたうつように身悶える。

 呼吸はもちろん心臓の鼓動までもが、停まってしまったのかと錯覚するほど凄まじいものだった。

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