偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました
対してカレンは心外だとばかりに、ムスッとした表情で不機嫌そうな低い声音を響かせる。
「なんだ。その反応は? もっと他に反応があるだろうが」
……というが、これでは逆ギレではないか。
そうは思っても、そんなことを突っ込むような余裕などない。今の恋にはこの反応が妥当だと思うのだが。
まさか、恋人からの思いがけないプロポーズにキャッキャと喜ぶ可愛い彼女のような反応を示せという意味なのだろうか。
ーーいやいや、絶対に違うだろう。
けれどいくらなんでも、好きでもない相手にプロポーズをするとも思えない。
ゲイだと思い込んでいたのが違うとわかり、恋のことを稀有で特別な存在だと確信したのかもしれない。
カレンとなら克服できるのではないかと思った恋同様にーー。