偽りのはずが執着系女装ワンコに娶られました

「それでも諦められない。恋に出会っとき、一目惚れしたんだ。雷にでも打たれたような気がした。一緒に過ごすうち、楽しそうに笑ったり、落ち込んだり、色んな表情を見せてくれる恋のことをどんどん好きになった。言葉では言い表せないくらい好きだ。愛してる。絶対に幸せにするから、俺と結婚してほしい」

 これまで見てきた中で一番だと思う。

 怖いくらいに真剣で、それでいてどこか不安そうにしている秀の姿に、恋の胸は、息もできないほどに締め付けられる。

 苦しくてどうしようもないくらいに、胸がときめく。

 秀のことが好きだと、秀から一ミリも離れたくないと、心が身体に訴えかけてくる。

 もう迷いなんて微塵もなかった。

「私も秀が好き。大好き。自覚してなかっただけで、ずっと好きだったんだと思う。こんなにも好きにさせたんだから、責任とって結婚してくれなきゃ、困る」

 想いをぶつけた瞬間、秀に物凄い力でぎゅうっと掻き抱かれていた。

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