略奪女子ネット村
次の10日間/ショートヘア





「あらあ、似合うじゃない!」


”お母さんはズバリ褒めてくれたけど…”


土曜日の夕方、ついに肩まであったセミロングをバッサリ切り落としてきた


思案した結果、一世一代のイメチェンは、いつもとは違う隣の駅のわりかし新しい店でということにした


「恋をしたんです。彼の要望で髪を切るんです。彼の心をもっと捕まえられるようなヘアスタイルでお願いします!」


誠に大胆ながら、マユリの口からは自然のこんな言葉が出た







”私って、首太いわ。やっぱ…”


洗面所の鏡に張り付いて数十分…


「正面とサイドはそんない悪くないけど、うしろのぶっとい首、モロ引き立ってるんじゃん…。女の私が言うのも変だけど、これじゃムラムラ来ないよ…」


手鏡との合わせ鏡で映る頭の後ろに向かって、マユリはぶつぶつと独り言を繰り返していた






「おはよう、マユリ。わー、髪切ったんだ!かわいいじゃん、似合うよ」


クラスメートのアサミが開口一番、そう言ってくれたので、まずは嬉しかった


「うーん、確かに首の太さは目立ったか…。でもまあ、アンタが言うように、セックスアピールは削げるったって、私らまだ高1だもんさ。大したもんじゃねえっしょ」


”いや、大した問題なんだって、私にとっては…”


マユリの心の中のつぶやきは真剣そのものだった









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