略奪女子ネット村
次の10日間/あの女






南原ねね…


今回の排除ターゲットたるマユリは可能な限り調べた


”コイツだって、略奪じゃん…”






”ジェット”ヒサシは高校入学当時、中学時代の後輩と付き合っていた


高校進学後も、傍から見たら淡い交際を続けていたのだ


このハンドボール部の飛びぬけたイカす男を、南原ねねは入学早々、目ざとく見つけた


彼女のアクションは真に速かった


すぐにマネージャーでハンド部に入り、ジャットにべったり張り付いたのだ






「…南原、すぐに色仕掛けで落としたらしいね。N美の話だと、”そうなった”途端、中学の後輩と別れないと、体の関係を大っぴらにするって強く迫ったそうよ」


「それで、野上君はどうしたの!」


「突っぱねたって。ご勝手にって、涼しい顔でキッパリだったそうだわ」


マユリはこの一言で、ヒサシをさらに好きになった思いがした







「そしたら、南原ねねは?」


「後輩とのことは折れたみたい。まあ、ジェット、その後輩とは違う理由で今は切れてるらしいけど…」


「私、南原が野上君以外の男と歩いてるの、駅で見かけたことあるんだけど…」


「うん。あの女、複数だよ。で、ジェットとともそれを容認し合っての付き合いってことだ。つまり、ジェットに他の彼女できても、ヤツは文句を言えない…」


アサミは顔が広い


”このアサミがそう言うなら、それで間違いないか…”


マユリはヒサシと南原ねねの関係の現状を、”それ”で捉えることにした





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