かくも激イカレな女たち
惨夜の一室より❺
アキラ


なるほど、そういうカラクリだったのか

それで、オレがココにいるという訳か…

警察行けば、しばらくは頭髪から先打たれたクスリの反応でるから…

だけど、肝心の麻衣はどうするんだ?

コイツがいわば”メイン”だろうから、クスリの件は麻衣抜きでの決着はないはずだ

しかし、答えは明快だった

「この流れにはこの麻衣も乗る。細かい摺り寄せは後になるが、場合によっては君ルートに追加するから、その気でいてくれ。大筋は一緒だ。公にするタイミングと方法は、近くはっきりさせる」

剣崎さんが話した後、オレはとりあえず聞いてみた

「この子はそれで、納得してるんですか?警察に行くことも…」

そして、オレはカウンターの回転チェアにふんぞり返ってる麻衣へと視線を注いだ

したら、コイツ…

涼しい顔して少し笑ってるわ!

「君はまだ、麻衣のことをよく知らないようだな。この筋書きは、麻衣が言いだしてきたことだ。自分の着地点は、こいつが一番理解してる」

驚いた!

なんて子だ、麻衣ってのは…

この組み立て、コイツの発案だって言うのか…⁉

自分が刑務所行きになる段取りしてのシナリオだぜ

信じられん…

覚悟とかだったら、へたなヤクザの上を行ってる

...


「…罪は罪だが、未成年と堅気ってことで、被害者的に扱われて不起訴処分になる。3人ともな。これは決定してると思っていい。警察内部との調整も暗黙なんでな。こっちの筋書きをなぞって、君はサツで頷いてろ。君の大切なケイコの払う犠牲は、君が補える範囲で留まる。あとは、二人でやり直せ、きれいさっぱりでな」

剣崎という人の話で、事の次第はようやく把握できた

あのクスリの入手で警察に”偽証”を持ち込むのは、おそらく間宮さんだ

時機見て表沙汰にしたら、出頭という話がついてるようだ

オレのことはきっかけで、あの人の真の目当ては出所後の”対価”だろう

タクヤは、オレを早めに排除するだけが目的か…

いい悪いは別として、そのくらいの執念がオレにあれば、今の状況はないよな

麻衣のヤツがさっき言ってたこと、頭によぎるよ





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