【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
27.アミルの質問(2)
(わたくしを、妃に……?)
アミルの問い掛けを反芻しつつ、ラルカは大きく目を瞠る。
そんなこと、これまで一度も考えたことがなかった。
そもそもラルカは、結婚をしたいと思ったこと自体がなかったし、妃になりたいという野望を抱いたことだってない。
メイシュから離れて活き活きと仕事をし、自由な生活が送れたらそれが幸せで。
自分に妃の適性があるとも思えないし、およそ現実的な話として受け止められなかった。
「よく考えてみてほしい。
この国において、女性が生きたいように生きることへの理解はまだまだ不十分だ。結婚をした女性は家に入り、子を育てるのが当たり前。外で仕事をすることは稀だ。
女性文官の数とて、年齢を重ねるごとに極端に少なくなっていく。
だからこそ、君はブラントと婚約をしたのだろう? 結婚の時期を最大限に引き延ばし、仕事を辞めずに済むように、と」
「え……ええ、その通りですわ。しかし…………」
「妃となれば、国を――人々の意識を変えることができる」
アミルはそう言って、真っ直ぐにラルカを見つめる。
アミルの問い掛けを反芻しつつ、ラルカは大きく目を瞠る。
そんなこと、これまで一度も考えたことがなかった。
そもそもラルカは、結婚をしたいと思ったこと自体がなかったし、妃になりたいという野望を抱いたことだってない。
メイシュから離れて活き活きと仕事をし、自由な生活が送れたらそれが幸せで。
自分に妃の適性があるとも思えないし、およそ現実的な話として受け止められなかった。
「よく考えてみてほしい。
この国において、女性が生きたいように生きることへの理解はまだまだ不十分だ。結婚をした女性は家に入り、子を育てるのが当たり前。外で仕事をすることは稀だ。
女性文官の数とて、年齢を重ねるごとに極端に少なくなっていく。
だからこそ、君はブラントと婚約をしたのだろう? 結婚の時期を最大限に引き延ばし、仕事を辞めずに済むように、と」
「え……ええ、その通りですわ。しかし…………」
「妃となれば、国を――人々の意識を変えることができる」
アミルはそう言って、真っ直ぐにラルカを見つめる。