【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「婚約者、か。あいつに聞かせてやりたい言葉だが……。
なぁラルカ嬢、ブラントはなんと言って、君に婚約を持ちかけたんだ?」
「え? それは――――まだ結婚を考えていないから、時間稼ぎのために婚約を結びたい……と」
ブラントと約束を交わした日を思い返しながら、ラルカはそう口にする。
「誠実そうな顔をして――――あいつはとんだ嘘つきだな」
「ブラントさまが嘘つき、ですか?」
唐突に話題が変わったことに戸惑いつつ、ラルカはそっと首を傾げる。
「三年もの間、結婚を一心に望んでおきながら、『考えていない』、か」
呆れたように笑いつつ、アミルは小さくため息を吐く。
(ブラントさまが結婚を……?)
そんな、まさか。
そんな話、一度も聞いたことがない。
だとしたら、自分たちの婚約は一体何なのだろう?
エルミラと微笑み合うブラントの姿を遠目に眺めつつ、ラルカはそっと胸を押さえる。
足元がぐらつくような心地がした。
なぁラルカ嬢、ブラントはなんと言って、君に婚約を持ちかけたんだ?」
「え? それは――――まだ結婚を考えていないから、時間稼ぎのために婚約を結びたい……と」
ブラントと約束を交わした日を思い返しながら、ラルカはそう口にする。
「誠実そうな顔をして――――あいつはとんだ嘘つきだな」
「ブラントさまが嘘つき、ですか?」
唐突に話題が変わったことに戸惑いつつ、ラルカはそっと首を傾げる。
「三年もの間、結婚を一心に望んでおきながら、『考えていない』、か」
呆れたように笑いつつ、アミルは小さくため息を吐く。
(ブラントさまが結婚を……?)
そんな、まさか。
そんな話、一度も聞いたことがない。
だとしたら、自分たちの婚約は一体何なのだろう?
エルミラと微笑み合うブラントの姿を遠目に眺めつつ、ラルカはそっと胸を押さえる。
足元がぐらつくような心地がした。