【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「いえ、さすがにまだ、そこまでは……」

「あら、不正解? 残念だわ」


 エルミラは首を傾げつつ、目を細めて笑う。


「だけど、『まだ』と言えるぐらいには、進展しているのでしょう?」

「あ……」


 図星をつかれ、ラルカの頬が真っ赤に染まった。


「お兄さまから聞いたの。ラルカに相当発破をかけたって。あれが効いたのかしら?」

「……まぁ。わたくし、発破をかけられていたのですね」


 王族相手に失礼かもしれないが、どう反応すべきか分からず、何とも言えない物言いになってしまう。


「何よ、その反応。気づいていなかったの? 一体、お兄さまに何を言われたの?」

「それが……殿下はわたくしが殿下の妃候補だったことと、ブラントさまには想い人が居るということをおっしゃいまして」

「……? うん。それで、どうしてそういう反応になるのよ?」


 エルミラは『さも当然』と言わんばかりに大きく首を傾げる。ラルカは大きく目を瞠った。


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