【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「それはまた……不思議ですね。女官はとても素晴らしい仕事なのに」
「……! そうですよね。そうですわよね!
ありがとうございます。わたくしも心からそう思います。
ただ、わたくしの家族――――姉が、わたくしに華やかな暮らしを送ってほしいと望んでいて。女官ではダメだと。……姉は『働くこと』それ自体ではなく、侍女としてのステイタスを重視しているんです」
同調してもらえたことがあまりにも嬉しく、ラルカはぽろりと内情を漏らす。
「……そうでしたか。いつも楽しそうに仕事をしていたのに、残念なことですね」
「はい。
ですが、大丈夫です。エルミラ殿下が色々と配慮をしてくださいましたの。
表向きは『侍女』として働きながら、実際には女官の仕事を任せていただいているのです。とてもありがたいことですわ」
内情を知る人をあまり増やしてはいけない――――そうと分かっているのだが、何故だろう。この男性は不思議と信頼ができる気がした。
「それは良かった! 殿下にとても頼りにされているのですね」
「……ええ。そうだったら良いなぁと――――そうだと胸を張って言える自分でいられるよう、頑張りたいと思っております」
ラルカはそう言って、弾けるような笑みを浮かべる。
騎士はそっと瞳を細めた。
「……! そうですよね。そうですわよね!
ありがとうございます。わたくしも心からそう思います。
ただ、わたくしの家族――――姉が、わたくしに華やかな暮らしを送ってほしいと望んでいて。女官ではダメだと。……姉は『働くこと』それ自体ではなく、侍女としてのステイタスを重視しているんです」
同調してもらえたことがあまりにも嬉しく、ラルカはぽろりと内情を漏らす。
「……そうでしたか。いつも楽しそうに仕事をしていたのに、残念なことですね」
「はい。
ですが、大丈夫です。エルミラ殿下が色々と配慮をしてくださいましたの。
表向きは『侍女』として働きながら、実際には女官の仕事を任せていただいているのです。とてもありがたいことですわ」
内情を知る人をあまり増やしてはいけない――――そうと分かっているのだが、何故だろう。この男性は不思議と信頼ができる気がした。
「それは良かった! 殿下にとても頼りにされているのですね」
「……ええ。そうだったら良いなぁと――――そうだと胸を張って言える自分でいられるよう、頑張りたいと思っております」
ラルカはそう言って、弾けるような笑みを浮かべる。
騎士はそっと瞳を細めた。