【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
その場から数歩離れ、南側のブースに二人で向かう。
ブラントは切なげに眉を寄せながら、ラルカの両手をギュッと握った。
「ラルカ。もしも僕が――――金輪際、僕以外の男性の手を握らないでほしいと言ったら、貴女はどう思いますか?」
ブラントの瞳が、どこか自信なさげに揺れている。ラルカは思わず吹き出してしまった。
「まぁ、ブラントさまったら……」
「やっぱり幻滅させてしまいましたか? 嫉妬なんてみっともないと。けれど僕は……」
シュンと肩を落とすブラントの姿は愛らしく、ラルカは首を横に振る。
「いいえ、ブラントさま……わたくしも先程、同じ気持ちでしたから」
「…………へ?」
いつも冷静なブラントらしからぬ素っ頓狂な声音に、ラルカはクスクスと笑ってしまう。
「わたくしも、ブラントさまが他の女性に触れるのは嫌です」
背伸びをし、頬に触れるだけのキスをする。
周囲から悲鳴にも似た黄色い声が上がった。
ブラントは切なげに眉を寄せながら、ラルカの両手をギュッと握った。
「ラルカ。もしも僕が――――金輪際、僕以外の男性の手を握らないでほしいと言ったら、貴女はどう思いますか?」
ブラントの瞳が、どこか自信なさげに揺れている。ラルカは思わず吹き出してしまった。
「まぁ、ブラントさまったら……」
「やっぱり幻滅させてしまいましたか? 嫉妬なんてみっともないと。けれど僕は……」
シュンと肩を落とすブラントの姿は愛らしく、ラルカは首を横に振る。
「いいえ、ブラントさま……わたくしも先程、同じ気持ちでしたから」
「…………へ?」
いつも冷静なブラントらしからぬ素っ頓狂な声音に、ラルカはクスクスと笑ってしまう。
「わたくしも、ブラントさまが他の女性に触れるのは嫌です」
背伸びをし、頬に触れるだけのキスをする。
周囲から悲鳴にも似た黄色い声が上がった。