【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「ラルカは強い」
「……え?」
ブラントはもう、黙っていられなかった。
取り乱し、目を見開くメイシュを冷ややかに睨みつけ、彼は静かに息を吐く。
「貴女が思うほどラルカは弱くない。彼女は寧ろ、とても強い女性です――――強くあろうと努力している人です。
僕はラルカを信じます。彼女は絶対に戻ってきます。
ですから、お姉さまはもう黙っていてください」
「な……なんですって⁉ 貴方、自分が一体何を言っているか、分かっているの⁉ 私が一言命じれば、貴方との婚約なんて幾らでも破談に出来るのよ⁉ ねぇ、聞いているの⁉」
顔を真赤に染めながら、メイシュが拳を振り上げる。
(そんなこと、させるわけがない)
ブラントは何も答えないまま、クルリと踵を返した。
もうすぐイベントは終りを迎える。
既に各ブースの受付は終了し、段階的に片付けが始まっていた。
後は、最後に受付をした人々の着替えを見守り、エルミラとアミルが締めの挨拶をしたらイベントが終わる。
エルミラやアミルもラルカのことは心配だろうが、今頃は己の責務に集中していることだろう。
「……え?」
ブラントはもう、黙っていられなかった。
取り乱し、目を見開くメイシュを冷ややかに睨みつけ、彼は静かに息を吐く。
「貴女が思うほどラルカは弱くない。彼女は寧ろ、とても強い女性です――――強くあろうと努力している人です。
僕はラルカを信じます。彼女は絶対に戻ってきます。
ですから、お姉さまはもう黙っていてください」
「な……なんですって⁉ 貴方、自分が一体何を言っているか、分かっているの⁉ 私が一言命じれば、貴方との婚約なんて幾らでも破談に出来るのよ⁉ ねぇ、聞いているの⁉」
顔を真赤に染めながら、メイシュが拳を振り上げる。
(そんなこと、させるわけがない)
ブラントは何も答えないまま、クルリと踵を返した。
もうすぐイベントは終りを迎える。
既に各ブースの受付は終了し、段階的に片付けが始まっていた。
後は、最後に受付をした人々の着替えを見守り、エルミラとアミルが締めの挨拶をしたらイベントが終わる。
エルミラやアミルもラルカのことは心配だろうが、今頃は己の責務に集中していることだろう。