【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「さあ、皆。ここから先は、笑顔と度胸が何より肝心ですわ! ドレスや洋服はあくまでオマケ。今日の主役は他でもない貴方たちです! 堂々と胸を張って、わたくしに付いてきてください」
子供たちには、ラルカが何を企んでいるか分からない。それでも、こうしてドレスアップをして誰かの前を歩くという経験に、なんとも形容し難い喜びを感じているようだ。
彼らは躊躇いつつも、ラルカの後ろに続いていく。
「ラルカ!」
けれどその時、何ともタイミングの悪いことに、ラルカはメイシュに呼び止められてしまった。見つかれば大騒ぎをするに違いない――――足止めを指示していたのだが、ついに誤魔化しきれなくなったのだろう。
「――――子供たちを先に舞台へ連れて行ってくれる?」
「はい、ラルカさま」
化粧を手伝ってくれた侍女や同僚たちに命じれば、彼女たちは心得顔で頷く。子供たちの手を引き、すぐにこの場から連れ出してくれた。
気を取り直し、ラルカはメイシュの方を向く。
メイシュは大袈裟にため息を吐くと、ラルカのことをギュッと抱きしめた。
子供たちには、ラルカが何を企んでいるか分からない。それでも、こうしてドレスアップをして誰かの前を歩くという経験に、なんとも形容し難い喜びを感じているようだ。
彼らは躊躇いつつも、ラルカの後ろに続いていく。
「ラルカ!」
けれどその時、何ともタイミングの悪いことに、ラルカはメイシュに呼び止められてしまった。見つかれば大騒ぎをするに違いない――――足止めを指示していたのだが、ついに誤魔化しきれなくなったのだろう。
「――――子供たちを先に舞台へ連れて行ってくれる?」
「はい、ラルカさま」
化粧を手伝ってくれた侍女や同僚たちに命じれば、彼女たちは心得顔で頷く。子供たちの手を引き、すぐにこの場から連れ出してくれた。
気を取り直し、ラルカはメイシュの方を向く。
メイシュは大袈裟にため息を吐くと、ラルカのことをギュッと抱きしめた。