【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「ねぇ……待って、ラルカ! 何なの、その格好! その可愛くないドレスは⁉」
ラルカのドレスは先程と――――メイシュ好みの一着とは違う。
彼女は今、以前ブラントから贈られた、鮮やかな青色のドレスに着替えていた。
スッキリと大人びたシルエット。
今着ているドレスには、ふわりと広がるスカートも、コルセットで引き締められたウエストも、フリルもレースもリボンだって付いていない。
淡く麗しい桃色でもなければ、鮮やかな紅色でもない。
女性らしさ、愛らしさなど皆無に等しい。
けれど、それで良い。
それこそがラルカの目指す女性像だ。
なりたいと思う己の姿だ。
夕日を背に凛と立つラルカの姿は美しく、見ている人々を圧倒する。
メイシュは大きく息を呑み、ラルカの姿に見惚れ――――それから首を横に振った。
「ダメ! ダメよ、そんな格好! 可愛くないわ! 私のラルカに相応しくない。今すぐ着替えて! 私は絶対認めないわ」
「お断りいたします。そもそも、姉さまに認めて頂く必要などございません。わたくしは、自分の着たい服を着ます。生きたいように生きていきます。
仕事は絶対に辞めません。
ブラントさまとの婚約も、絶対に破棄など致しません。
金輪際、貴女の指図は受けませんわ」
ラルカの瞳は力強く、揺らぎない。
少し前までメイシュが少し揺さぶれば、恐怖ですぐに支配できていたのが嘘のようだ。
ラルカのドレスは先程と――――メイシュ好みの一着とは違う。
彼女は今、以前ブラントから贈られた、鮮やかな青色のドレスに着替えていた。
スッキリと大人びたシルエット。
今着ているドレスには、ふわりと広がるスカートも、コルセットで引き締められたウエストも、フリルもレースもリボンだって付いていない。
淡く麗しい桃色でもなければ、鮮やかな紅色でもない。
女性らしさ、愛らしさなど皆無に等しい。
けれど、それで良い。
それこそがラルカの目指す女性像だ。
なりたいと思う己の姿だ。
夕日を背に凛と立つラルカの姿は美しく、見ている人々を圧倒する。
メイシュは大きく息を呑み、ラルカの姿に見惚れ――――それから首を横に振った。
「ダメ! ダメよ、そんな格好! 可愛くないわ! 私のラルカに相応しくない。今すぐ着替えて! 私は絶対認めないわ」
「お断りいたします。そもそも、姉さまに認めて頂く必要などございません。わたくしは、自分の着たい服を着ます。生きたいように生きていきます。
仕事は絶対に辞めません。
ブラントさまとの婚約も、絶対に破棄など致しません。
金輪際、貴女の指図は受けませんわ」
ラルカの瞳は力強く、揺らぎない。
少し前までメイシュが少し揺さぶれば、恐怖ですぐに支配できていたのが嘘のようだ。