【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
一体いつから、あんなにも強くなったのだろう?
メイシュは唇を戦慄かせつつ、怒りなのか戸惑いなのか、自分でもよく分からない感情に支配される。確固たる自信に満ちた妹の姿――――己の思い通りにならなくなった人形は、ビックリするほど美しく、何よりも輝いて見えた。
「ああ、そうそう。先程姉さまが探していらしたブースの責任者なのですけれども、あれ、実はわたくしですの」
ダメ押しとばかりに、ラルカは満面の笑みを浮かべる。
「え? 貴女がこのイベントを……?」
呟きながら、メイシュはぐるりと会場を見回す。
「ええ。ブース内の企画、運営はわたくしがエルミラさまと共に行いましたの。誰もがなりたい自分を素直に目指せるようになってほしい……そう思いましたもので」
ズン、と胸に鉛を詰められたかのような感覚がメイシュを襲った。
ドレスを身に纏い、嬉しそうに笑っていた少女たちの姿が鮮やかに蘇る。それから、メイシュが着せ替えをする度に、苦しげな表情を浮かべていたラルカの姿も。
メイシュは唇を戦慄かせつつ、怒りなのか戸惑いなのか、自分でもよく分からない感情に支配される。確固たる自信に満ちた妹の姿――――己の思い通りにならなくなった人形は、ビックリするほど美しく、何よりも輝いて見えた。
「ああ、そうそう。先程姉さまが探していらしたブースの責任者なのですけれども、あれ、実はわたくしですの」
ダメ押しとばかりに、ラルカは満面の笑みを浮かべる。
「え? 貴女がこのイベントを……?」
呟きながら、メイシュはぐるりと会場を見回す。
「ええ。ブース内の企画、運営はわたくしがエルミラさまと共に行いましたの。誰もがなりたい自分を素直に目指せるようになってほしい……そう思いましたもので」
ズン、と胸に鉛を詰められたかのような感覚がメイシュを襲った。
ドレスを身に纏い、嬉しそうに笑っていた少女たちの姿が鮮やかに蘇る。それから、メイシュが着せ替えをする度に、苦しげな表情を浮かべていたラルカの姿も。