【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「まぁ! この子達が貴女を攫った張本人なのね」
腰に手を当てムスッと唇を尖らせるエルミラに、リーダー格の少年と少女の顔がサーッと青褪めていく。ラルカは思わず両手を広げると、子供たちの前に躍り立った。
「違いますわ、エルミラさま。わたくしはただ、この子たちと一緒に楽しく遊んでいただけです。元はと言えば、この子達のためのイベントですもの。当然のことですわ」
「……分かっているわよ。貴女が何を言いたいのか、これから何をしたいのかも。
だけど、本来なら、貴族を攫ったものは死刑に処される――――子供だから、知らなかったからで済まして良い話じゃないの。
この子達は、自分が何をしでかしたのか、きちんと自覚をする必要があるわ」
「そんな……!」
リーダー格の少年が叫ぶ。
彼らはただ、悲しかった――――悔しかっただけだ。
これは自分たちのために開かれたイベントなのに、近づくことすら許されない。
除け者にされてしまったから。
だから少しだけ――――ほんの少し、困らせてやろうと思った。
碌な教育も受けさせてもらえていない彼らには、己の行動がどんな結果に行き着くのか、知るよしもなかったのである。
腰に手を当てムスッと唇を尖らせるエルミラに、リーダー格の少年と少女の顔がサーッと青褪めていく。ラルカは思わず両手を広げると、子供たちの前に躍り立った。
「違いますわ、エルミラさま。わたくしはただ、この子たちと一緒に楽しく遊んでいただけです。元はと言えば、この子達のためのイベントですもの。当然のことですわ」
「……分かっているわよ。貴女が何を言いたいのか、これから何をしたいのかも。
だけど、本来なら、貴族を攫ったものは死刑に処される――――子供だから、知らなかったからで済まして良い話じゃないの。
この子達は、自分が何をしでかしたのか、きちんと自覚をする必要があるわ」
「そんな……!」
リーダー格の少年が叫ぶ。
彼らはただ、悲しかった――――悔しかっただけだ。
これは自分たちのために開かれたイベントなのに、近づくことすら許されない。
除け者にされてしまったから。
だから少しだけ――――ほんの少し、困らせてやろうと思った。
碌な教育も受けさせてもらえていない彼らには、己の行動がどんな結果に行き着くのか、知るよしもなかったのである。