【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
ラルカは人形のように美しく、どこかおっとりとして見えるが、案外芯の強い女性で、エルミラの無茶振りにもふわふわと微笑みながら、きっちりと堅実に仕事をこなしている。
元々は行儀見習いも兼ね、エルミラの侍女として城に上がったのだが、彼女の強い希望を受け、文官として抜擢された。
その理由が『侍女用のドレスではなく文官の制服を着てみたい』というものだったから、エルミラはとても驚いた。文官用の制服は、無機質で飾り気がなく、大抵の女性は好まない。姫君を引き立てる『華』である侍女のものとは、根本的に異なっているのだ。
見た目の麗しい侍女はそこに居てくれるだけで重宝する。このためエルミラは、ラルカを文官として登用するつもりはなかった。
だが、彼女と接しているうちに、ラルカの価値は美しさよりもその能力にあると気づいた。
そして、文官としての活き活きとした働きぶりを見るに、転用して正解だったと感じていた。
「ラルカ、あなたがいてくれて、とても助かっているわ」
心からの感謝を伝えると、ラルカは瞳をパッと輝かせる。
「まあ、エルミラ様! とても光栄ですわ」
頬を染め、満面の笑みを浮かべるラルカはあまりにも愛らしく、その場にいる誰もがほぅと息を呑む。
「これからも頼りにしているからね」
「はい! よろしくお願いいたします」
ラルカは嬉しさのあまり、天にも昇る心地だった。
元々は行儀見習いも兼ね、エルミラの侍女として城に上がったのだが、彼女の強い希望を受け、文官として抜擢された。
その理由が『侍女用のドレスではなく文官の制服を着てみたい』というものだったから、エルミラはとても驚いた。文官用の制服は、無機質で飾り気がなく、大抵の女性は好まない。姫君を引き立てる『華』である侍女のものとは、根本的に異なっているのだ。
見た目の麗しい侍女はそこに居てくれるだけで重宝する。このためエルミラは、ラルカを文官として登用するつもりはなかった。
だが、彼女と接しているうちに、ラルカの価値は美しさよりもその能力にあると気づいた。
そして、文官としての活き活きとした働きぶりを見るに、転用して正解だったと感じていた。
「ラルカ、あなたがいてくれて、とても助かっているわ」
心からの感謝を伝えると、ラルカは瞳をパッと輝かせる。
「まあ、エルミラ様! とても光栄ですわ」
頬を染め、満面の笑みを浮かべるラルカはあまりにも愛らしく、その場にいる誰もがほぅと息を呑む。
「これからも頼りにしているからね」
「はい! よろしくお願いいたします」
ラルカは嬉しさのあまり、天にも昇る心地だった。