【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
エルミラがそう宣言すれば、集まった人々はワッと大きな歓声を上げた。
言うは易く行うは難し――――エルミラの夢が本当の意味で叶うのは、相当困難なことだろう。
「――――どうやら、エルミラ殿下が降嫁なさる日は、当分先になりそうですね」
ラルカの隣でブラントが苦笑を浮かべる。ラルカは困ったように笑いながら、ブラントの手をそっと握った。
「そうですわね……もしかしたら、このまま誰とも結婚なさらないかもしれませんわよ? ご公務にとても意欲的ですし、女性の新しい生き方を御自身で体現なさるおつもりなのかもしれません」
「それは――――大いにありえますね。なにせ側近の一人が、バリバリの独身主義者でいらっしゃいますし」
「ふふっ……ブラントさまの仰るとおりですわ。
けれど、たとえバリバリの独身主義者でも、素晴らしい男性に出会ってしまったら……いとも簡単にその主張を変えることもあるようですから」
揶揄するような声音。ブラントは今にも泣き出しそうな表情で、ラルカのことをまじまじと見つめる。
「――――ただ、今はまだ、やりたいことがたくさんありますの。エルミラさまの夢を実現するためには、わたくしがしっかりしなくてはなりません。数年間は腰を据え、仕事をしたいと思っていますし……実はわたくし、先程の子供たちの話を受けて、転属願いを出そうと思っていまして」
言うは易く行うは難し――――エルミラの夢が本当の意味で叶うのは、相当困難なことだろう。
「――――どうやら、エルミラ殿下が降嫁なさる日は、当分先になりそうですね」
ラルカの隣でブラントが苦笑を浮かべる。ラルカは困ったように笑いながら、ブラントの手をそっと握った。
「そうですわね……もしかしたら、このまま誰とも結婚なさらないかもしれませんわよ? ご公務にとても意欲的ですし、女性の新しい生き方を御自身で体現なさるおつもりなのかもしれません」
「それは――――大いにありえますね。なにせ側近の一人が、バリバリの独身主義者でいらっしゃいますし」
「ふふっ……ブラントさまの仰るとおりですわ。
けれど、たとえバリバリの独身主義者でも、素晴らしい男性に出会ってしまったら……いとも簡単にその主張を変えることもあるようですから」
揶揄するような声音。ブラントは今にも泣き出しそうな表情で、ラルカのことをまじまじと見つめる。
「――――ただ、今はまだ、やりたいことがたくさんありますの。エルミラさまの夢を実現するためには、わたくしがしっかりしなくてはなりません。数年間は腰を据え、仕事をしたいと思っていますし……実はわたくし、先程の子供たちの話を受けて、転属願いを出そうと思っていまして」