【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「如何でしょう? 僕ではやはり力不足でしょうか?」
「いいえ。姉もきっと、納得してくれると思います。その……ソルディレン様、先程は失礼なことを申し上げて、本当に申し訳ございません」
せっかく素晴らしい提案をしてくれた相手に、家柄云々と話さねばならなかったことがあまりにも辛い。ラルカ自身は家柄等の表面的なことは気にしないタイプである分、余計に恥ずかしい。
ラルカは真っ赤に顔を染めながら、深々と頭を下げる。
「いえいえ。婚約に際して、相手の家柄を気にするのは当然のことです。どうか、お気になさらないでください」
ブラントは全く気分を害した様子もなく、とても穏やかに微笑んでいる。ラルカはホッと胸をなでおろした。
「僕のことはどうか、ブラントと気軽に呼んでください。僕も、貴女のことをラルカとお呼びしていいですか?」
「もちろんですわ、ブラント様」
ブラントは穏やかに微笑むと、ラルカの手をギュッと握る。
それから、その場にゆっくりと跪き、ラルカの手の甲に口づけた。
「お約束の印に」
それはまるでお伽噺の中の王子様のような、優雅で流れるような所作だった。
ラルカの同僚達ならば、今頃、キャーキャー叫びながら頬を真っ赤に染めていることだろう。
どうやら彼は、自身の容姿の良さを自覚しているし、どうしたら女性が喜ぶのかを熟知しているようだ。
おそらくは、数多くの女性と親しくしているに違いない。
「いいえ。姉もきっと、納得してくれると思います。その……ソルディレン様、先程は失礼なことを申し上げて、本当に申し訳ございません」
せっかく素晴らしい提案をしてくれた相手に、家柄云々と話さねばならなかったことがあまりにも辛い。ラルカ自身は家柄等の表面的なことは気にしないタイプである分、余計に恥ずかしい。
ラルカは真っ赤に顔を染めながら、深々と頭を下げる。
「いえいえ。婚約に際して、相手の家柄を気にするのは当然のことです。どうか、お気になさらないでください」
ブラントは全く気分を害した様子もなく、とても穏やかに微笑んでいる。ラルカはホッと胸をなでおろした。
「僕のことはどうか、ブラントと気軽に呼んでください。僕も、貴女のことをラルカとお呼びしていいですか?」
「もちろんですわ、ブラント様」
ブラントは穏やかに微笑むと、ラルカの手をギュッと握る。
それから、その場にゆっくりと跪き、ラルカの手の甲に口づけた。
「お約束の印に」
それはまるでお伽噺の中の王子様のような、優雅で流れるような所作だった。
ラルカの同僚達ならば、今頃、キャーキャー叫びながら頬を真っ赤に染めていることだろう。
どうやら彼は、自身の容姿の良さを自覚しているし、どうしたら女性が喜ぶのかを熟知しているようだ。
おそらくは、数多くの女性と親しくしているに違いない。