【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
ようやく届いた――――ラルカはそう思った。
けれどそれは、ラルカだけの力ではない。
ブラントがいてくれたからこそ、ラルカはメイシュの呪縛から解放されることができた。自分が本当にやりたいこと、向かうべき道を見つけることができた。それはひとりでは決して得られなかったものだ。
そして、ラルカの想いは、メイシュの考えを変えたらしい。
メイシュはもう、ラルカに自分の理想を押し付けることはない。服装も髪型も化粧も、ああしろこうしろと言ってくることはなくなったし、報告を求めることも、勝手に買い与えることも、侍女たちを送り込んでくることもなくなった。
かわりに、ラルカの体調をこれまで以上に気づかうようになったし、どんな仕事をしているのか尋ねてくるようになった。そして、仕事の内容やラルカの考えを否定することは決してなくなったのである。
「今の姉さまならきっと大丈夫……そう思えたからこそ、こうして領地に帰る決心ができました」
「……そうですね」
穏やかな表情で微笑むラルカが眩しくて、ブラントは彼女を抱き寄せる。額に、頬に口づけながら、二人は寄り添いあうのだった。
けれどそれは、ラルカだけの力ではない。
ブラントがいてくれたからこそ、ラルカはメイシュの呪縛から解放されることができた。自分が本当にやりたいこと、向かうべき道を見つけることができた。それはひとりでは決して得られなかったものだ。
そして、ラルカの想いは、メイシュの考えを変えたらしい。
メイシュはもう、ラルカに自分の理想を押し付けることはない。服装も髪型も化粧も、ああしろこうしろと言ってくることはなくなったし、報告を求めることも、勝手に買い与えることも、侍女たちを送り込んでくることもなくなった。
かわりに、ラルカの体調をこれまで以上に気づかうようになったし、どんな仕事をしているのか尋ねてくるようになった。そして、仕事の内容やラルカの考えを否定することは決してなくなったのである。
「今の姉さまならきっと大丈夫……そう思えたからこそ、こうして領地に帰る決心ができました」
「……そうですね」
穏やかな表情で微笑むラルカが眩しくて、ブラントは彼女を抱き寄せる。額に、頬に口づけながら、二人は寄り添いあうのだった。