【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
(もしかしてこれが――――オシャレが楽しいっていう感覚なのかしら?)
今、ラルカの心を占めているのは、煩わしいというより寧ろ正反対の感情だ。
アイシャドウに頬紅、口紅はどんな色が合うだろう?
どのぐらいの濃さが良いだろう?
これまでとても億劫だったのに、ラルカは今、嬉々として鏡に向かっている。
だって、これはお礼だから――――ブラントのための外出だから。
彼が何を望むのか、どうしたら喜んでくれるのか、必死に考えるべきなのだろう。
そんな風に自分に言い訳をしていることに、ラルカ本人は気付けない。
存分に悩んだ後、手元に置かれたベルを鳴らす。
すぐに侍女たちが部屋へと来てくれた。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
「着替えを手伝ってほしいの。ドレスに合わせて髪を綺麗に結い上げたくて。一人では難しい髪型だから」
「もちろん。喜んでお手伝いしますわ!」
三人の侍女たちはそう言って、とても嬉しそうに微笑む。
今、ラルカの心を占めているのは、煩わしいというより寧ろ正反対の感情だ。
アイシャドウに頬紅、口紅はどんな色が合うだろう?
どのぐらいの濃さが良いだろう?
これまでとても億劫だったのに、ラルカは今、嬉々として鏡に向かっている。
だって、これはお礼だから――――ブラントのための外出だから。
彼が何を望むのか、どうしたら喜んでくれるのか、必死に考えるべきなのだろう。
そんな風に自分に言い訳をしていることに、ラルカ本人は気付けない。
存分に悩んだ後、手元に置かれたベルを鳴らす。
すぐに侍女たちが部屋へと来てくれた。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
「着替えを手伝ってほしいの。ドレスに合わせて髪を綺麗に結い上げたくて。一人では難しい髪型だから」
「もちろん。喜んでお手伝いしますわ!」
三人の侍女たちはそう言って、とても嬉しそうに微笑む。