【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「あの、こちらの髪飾り、是非購入させていただきたいのですが……!」
こうして自分で何かを選び、購入するのは随分久しぶりのこと。ラルカはウキウキと手を上げる。
けれど、店員が反応するよりも前に、ブラントが身を乗り出した。
「もちろん。是非、僕にプレゼントさせてください」
ブラントはそう言って、ラルカの両手をギュッと握る。ラルカは大きく目を瞠った。
「けれどブラントさま、今日のお出かけは、わたくしから貴方へのお礼ですのよ? それなのに、わたくしの方がプレゼントをいただいてしまっては、何だかちぐはぐじゃございませんこと?」
そもそも、ブラントが向かった場所はすべて、彼が行きたいというより、ラルカの喜びそうな場所ばかりだ。これでは今日の目的が果たせないのではないか――――ラルカは不安げに表情を曇らせる。
「いいえ、ラルカ。ちっともちぐはぐではありません。
僕はラルカに、僕が贈ったものを身につけてほしいのです」
「ブラントさま……ですがもう、十分過ぎるほどにいただいていますわよ?」
こうして自分で何かを選び、購入するのは随分久しぶりのこと。ラルカはウキウキと手を上げる。
けれど、店員が反応するよりも前に、ブラントが身を乗り出した。
「もちろん。是非、僕にプレゼントさせてください」
ブラントはそう言って、ラルカの両手をギュッと握る。ラルカは大きく目を瞠った。
「けれどブラントさま、今日のお出かけは、わたくしから貴方へのお礼ですのよ? それなのに、わたくしの方がプレゼントをいただいてしまっては、何だかちぐはぐじゃございませんこと?」
そもそも、ブラントが向かった場所はすべて、彼が行きたいというより、ラルカの喜びそうな場所ばかりだ。これでは今日の目的が果たせないのではないか――――ラルカは不安げに表情を曇らせる。
「いいえ、ラルカ。ちっともちぐはぐではありません。
僕はラルカに、僕が贈ったものを身につけてほしいのです」
「ブラントさま……ですがもう、十分過ぎるほどにいただいていますわよ?」