【電子書籍化】独身貴族になりたいんです!〜毒姉回避のために偽装婚約を結んだ人形令嬢は、エリート騎士に溺愛される〜
「これ、ラルカが?」
ブラントにはすぐに、ラルカが刺したものだと分かったらしい。少々気恥ずかしさを感じつつ、彼女はコクリと小さく頷く。
その瞬間、ブラントはその場に突っ伏した。
「どうしよう、ラルカ――――僕はもう、ダメかもしれない」
元々緩んでいた涙腺が決壊したらしく、彼は大粒の涙を流す。ラルカは思わずギョッとしてしまった。
「申し訳ございません! そんな、ショックを受けるほどに下手くそでしたか⁉ 不快な思いをさせてしまったのなら――――」
慌ててハンカチを奪い取ろうとするが、ブラントはヒョイと腕を動かし、大きく首を横に振る。
「違います!
嬉しすぎて――――幸せすぎて、本当にどうしようもない。
格好悪いところばかり見せて情けない限りですが、ダメです――――全然、止まりそうにない」
ブラントが笑う。あまりにも幸せそうなその笑顔に、ラルカの心臓がまたもや大きく跳ねた。
ブラントにはすぐに、ラルカが刺したものだと分かったらしい。少々気恥ずかしさを感じつつ、彼女はコクリと小さく頷く。
その瞬間、ブラントはその場に突っ伏した。
「どうしよう、ラルカ――――僕はもう、ダメかもしれない」
元々緩んでいた涙腺が決壊したらしく、彼は大粒の涙を流す。ラルカは思わずギョッとしてしまった。
「申し訳ございません! そんな、ショックを受けるほどに下手くそでしたか⁉ 不快な思いをさせてしまったのなら――――」
慌ててハンカチを奪い取ろうとするが、ブラントはヒョイと腕を動かし、大きく首を横に振る。
「違います!
嬉しすぎて――――幸せすぎて、本当にどうしようもない。
格好悪いところばかり見せて情けない限りですが、ダメです――――全然、止まりそうにない」
ブラントが笑う。あまりにも幸せそうなその笑顔に、ラルカの心臓がまたもや大きく跳ねた。