【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
アユリの涙を親指で優しく拭うと、そのままアユリの唇にキスを落とす。
「君の言うとおり、俺は彼女のことをこれからも忘れられないと思う。……彼女のことかずっと頭に焼き付いて、離れないんだ」
「……うん」
「でも俺が今愛してるのは……アユリ、君だけなんだ。俺にとってアユリは、俺の全てなんだ。君だけは、俺の前からいなくならないでくれ」
そんな弱音を吐く俺を、アユリは笑うことなく抱きしめ返してくれる。
「レイヤ……過去は辛い思い出かもしれないけど、今レイヤの隣には、私がいるから。 だから、私には弱音をたくさん吐いてほしい。……もっともっと、私のこと頼ってほしい」
アユリの言葉は、俺の胸をグッと掴んだ。こんなに俺を想ってくれる人、きっとアユリ以外にはいないだろう……。
「……アユリ、ごめん」
「謝らないで。私は、レイヤの妻だから。レイヤのそばにいるよ、ずっと。 離れたりしないから、安心してね」
アユリはいつしか、俺に笑顔を向けてくれていた。
俺はやっぱり、アユリのことがたまらなく好きなんだ。 こんなにも、アユリが愛おしい存在だったんだ。
「アユリ……愛してる」
「私も……愛してるよ、レイヤ」
アユリは、俺の愛おしい人。