【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「そんなこと考えるだけ、ムダなのかな……」

 私は本当は、どうしたいのだろう。 レイヤとこのままずっと一緒にいたい?
 ……そんなこと、分からない。

 私は妻なのに……。妻だからこそ、こんなに不安になるのだろう。
 どうしたって消せないこの不安を、どうやったら取り除くことが出来るのだろう。
 そうだ。そんなことが出来るなら、こんなに悩んだり不安になったりしないはずだ。

 私はただ、レイヤが私のそばから離れていくのが怖いだけ。臆病者なんだ、私は……。
 


 
 その日の夜、仕事を終えて帰宅したレイヤは、私の作った麻婆茄子とあんかけチャーハンを食べながら、今日仕事であった出来事を話してくれた。
 良かったことも悪かったことも、時には愚痴だって話してくれるレイヤを、私はずっとそばで見てきた。

 妻として彼を支えたいって思っているのに、私にはそれが出来ているのだろうか。
 それすらも分からなくて、どうしたらいいのか分からない。

「なあ、アユリ」

「ん……?」

 レイヤはチャーハンを食べながら「今日、一緒に風呂に入ってくれないか」と言ってくる。

「え?」

「今日はアユリに背中、流してほしいんだ」
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