【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


 レイヤが仕事を終えて帰宅したのは、六時半を過ぎた頃だった。

「ただいま、アユリ」

「おかえりなさい」

 リビングにやってきたレイヤは、私を抱きしめる。

「どうしたの?疲れちゃった?」

 レイヤの背中に腕を回すと、レイヤは「違うよ。アユリのこと抱きしめたかっただけ」と優しい言葉をくれる。

「……ん、ありがとう」

 私がその後、レイヤの背中に「お腹空いてるよね? もうご飯食べる?」と問いかけると、レイヤは「腹減ってる。食べたい」と言うので夕飯の支度を再開する。

「今日ね、ミネストローネのスープパスタにしたの」

「ミネストローネいいじゃん」

 レイヤはミネストローネが好きみたいで、ミネストローネを作ると喜んでくれる。

「冷蔵庫にポテトサラダもあるよ」

「マジ?手作り?」

「もちろん」

 最近私はポテトサラダにハマっていて、よくポテトサラダを作る。

「ポテトサラダ美味いよなあ」

「レイヤもポテトサラダ、好きだったよね?」

 冷蔵庫から白ワインを取り出しながら、レイヤは「アユリの作るものならなんでも好きだよ」と言って、食器棚からワイングラスを二つ取り出す。

「嬉しいお言葉、ありがとう」

「どういたしまして」
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