【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「あのね……子供のこと、なんだけど」

「……子供?」

 レイヤが不思議そうに私を見る。

「うん……レイヤ、子供がほしいって言ってたじゃない? 子供作ろうって、言ってくれたよね?」

 私はテーブルにフォークを置くと、レイヤを見つめ「子供……私も、ほしいなって思ってる」と伝える。

「アユリ……本当か?」

「うん。……私、嬉しかったよ。子供がほしいって言ってくれて」
 
 レイヤと家族を作ることは、私たちにとって大切なことだと思う。家族になるために、私たちはこうして夫婦になったのだから。

「アユリ、ありがとう」  

「ううん。私の方こそ……子供のこと、ずっと曖昧しててごめんね」

 ちゃんと伝えられなかったこと、後悔してる。もっとちゃんと言えたら、こんなに後悔はしなかったかもしれない。
 家族になりたいなんて、そんなのわがままだったのかな。なんて思ったりもした。

「いいんだ。俺が悪かったと思うし」

「レイヤ……」

「子供、俺もほしいと思ってる。 でもそれは授かりものだから、ゆっくり二人で考えていこう」

「……うん」

 子供が出来たら、きっと私たちはもっと幸せになれるはずだ。
 私たちは、そう信じてる。
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