【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「そういえば、レイヤの話って?」

「実は俺も、アユリと同じことを話そうとしてた」

 レイヤが私と同じことを話そうとしてたなんて、奇遇だ。
 でもその反面、嬉しい気持ちにもなる。

「あの時俺……アユリに子供を作ろうって言ったけど、アユリが困惑してたことは分かってた。 それでも俺は、アユリとの子供が出来ればカナトも諦めてくれるだろうって……そんな気持ちもどこかにあったんだ」

 レイヤがそんなことを言うなんて思わなくて、私はただレイヤを見つめるしかなかった。

「……レイヤ」

「それでもしアユリが、俺との離婚を考えたとしても仕方ないって……正直、そう思ってた」

「そんなこと……」

 そんなことはなかった。私は確かに、レイヤとの離婚を考えていた時期もあった。 でもレイヤの過去を知ったから、離婚を考えなくなった。
 ずっと一緒にいたいって、そう思うようになったから。だから私は、レイヤと家族になりたい。
 こうやって愛おしいと思える存在がいるって、私にとってはとても大切なことだった。
 悲しみも楽しさも、苦しさも喜びも、二人で一緒に分け合いたいんだ。
 
「私は、レイヤのこと愛してる。ずっとずっと……これから先も、私にはレイヤだけだよ」
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