【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「アユリ……ありがとう」

 私のそばにやってきたレイヤは、私をそっと抱きしめる。

「俺も、アユリのこと愛してる。俺は、何があってもアユリの夫でいたい」

 私はレイヤの背中に腕を回し「私も……ずっとレイヤの妻でいたい」と伝えた。

「ずっと妻でいてくれ」

「当たり前だよ」

 そう、私とレイヤは夫婦だ。これからもずっと、愛おしい人。

「ねえ、おかわりしていい?」

「ああ、いいよ」

 私はレイヤと、将来の話をした。子供が出来たら、何をしたいか。どんな子に育てたいか。
 全然先の話なのに、二人で盛り上がった。でもこれってやっぱり、夫婦だから話せることだよね。

「ごちそうさまでした」

「はいよ」

「アユリ、おやすみ」

「おやすみ、レイヤ」

 その日の夜は、ベッドで二人で手を繋いで寝た。
 私はレイヤの隣で、とびきり幸せな夢を見た。




✱ ✱ ✱


「おはよう、アユリ」

「おはよう、レイヤ」

 ベッドから起き上がると、レイヤは私の髪の毛を指差して「アユリ、寝癖付いてる」と言ってくる。
 私は「えっ!ほんと?」と寝癖の付いているであろう箇所を触ってみる。

「寝癖付いててもかわいいよ」

「え、そうかな……?」
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