【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


 そう思っていると「本当だよ」と、レイヤは私のおでこにキスをする。

「さ、起きよう」

「うん」

 レイヤとの幸せな日々は、半年ほど続いていた。この半年、私とレイヤは夫婦二人で過ごしてきた。
 どんな時も二人で一緒にいた。何度もデートもして、楽しい日々を過ごしている。

「アユリ、身体大丈夫か?」
  
「うん、大丈夫だよ」

 そして今私のお腹の中には、大切な生命が宿っている。
 
「身体辛くないか?」

「うん」

 私とレイヤとの間に、念願の子供が出来た。

「辛かったらすぐに言えよ?」

「うん、ありがとう」

 レイヤに妊娠を報告した時、レイヤはとても喜んでいた。 私を抱きしめて「アユリ、ありがとう」と言って笑ってくれた。
 私はそんなレイヤのことが、本当にますます愛おしくなった。 

「ねえ、レイヤ」

「ん?」

「今日の朝ごはんはパンでいい?」

 レイヤはコーヒーを淹れながら「パンでいいよ。俺焼こうか?」と聞いてくる。

「ううん、私がやるから大丈夫」

「アユリはリンゴジュースでいいのか?」

「うん、それでいいよ」

 子供が出来てから、レイヤは私の身体を気遣ってくれる。
 その優しさに、私は救われている。
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