【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
そして私はレイヤに、ずっと言いたいことがあった。
「ねぇ、レイヤ……?」
「ん?」
「レイヤの初恋の人に……会わせてほしい」
レイヤは「え……?」と私を見つめる。
「私、レイヤの初恋の人に会いたいの。……ダメかな?」
初恋の人に会いたいというその気持ちは、あの時からずっとあったけど、レイヤのことを思うと言い出せなかった。
でも私は、レイヤの初恋の人に会ってみたかった。レイヤの初恋の人が、どんな人だったのか知りたかった。
「……レイヤ?」
レイヤは私に向かって、「実は俺……一度も行ってないんだ」と告げる。
「え……?」
「あの時、彼女が亡くなってから……一度も会いに行ってないんだ」
そう告げられた私は、レイヤに「会いに行くの……もしかして怖い?」と聞く。
「……正直に言うと、今さら会いに行っていいのかなって思ってる。 彼女は俺のせいで……」
私はレイヤの言葉を遮るように、「だからこそ、会いに行くべきじゃないの?」と問いかける。
「レイヤのその気持ち、その子にもしっかり届けてあげようよ。 レイヤが今幸せに生きていることを、その子にも報告してあげよう」
これが正しいのかなんて、分からない。