【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「……ああ、そうだな」

 レイヤはきっと、これからも彼女のことを思い出す日だってあるだろう。 でも私は、そんなレイヤを妻として支え合いたい。
 
「行くの……怖いかもしれないけど、私がいるから。 だから、一緒に行かない?」

 レイヤは「……ああ。アユリが一緒なら、怖くない気がする」と言ってくれる。

「うん」

 微笑み合っておでこをコツンと合わせると、お互いの唇をどちらからともなく重ね合う。

「……大好きだよ、レイヤ」

「俺も……大好きだ」

「うん」

 私たちはこの先も、ずっとずっと一緒に生きていく。今は二人だけど、未来は三人になる。
 もしかしたらそれが、四人にも五人にもなるかもしれない。 そんな幸せを、私たちは噛み締めて生きていくんだ。

「ちゃんと……前向いて生きていけるね」

「そうだな。 アユリのおかげだよ、ありがとう」

「うん」

 私にはレイヤがいて、家族になって、そして楽しく明るい未来を作っていくことが出来る。
 それは当たり前なんかじゃなくて、奇跡なんだということ。その奇跡があるから、私たちは一緒に生きていける。

「……レイヤ、二人なら、もう大丈夫だよ」

「ああ」

 きっとこの奇跡は、神様がくれたものだ。
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