【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
■最終章
「いい人だったね、お母さん」
「ああ」
「私たちの幸せ、喜んでくれて嬉しいね」
「そうだな」
レイヤは今回のことで少し気持ちが晴れたみたいで、スッキリした顔をしていた。
ずっと胸の中にしまっていた後悔を出し切れたことで、楽になったのかもしれないな。
「ミズキさんって、どんな人だったの?」
「え?ミズキ……?」
「うん。だってレイヤが好きになった人だもん。……気になるよ、やっぱり」
レイヤは冗談交じりで「もしかして、嫉妬してる?」と聞いてくるけど、きっとそうなのかもしれない。
だって私より先に、レイヤが好きになった人だから。やはり気にならないといえば、ウソになる。
「ミズキは、とても心の優しい人だった。誰にでも優しくて、気遣いが出来る人だった。男子からだけじゃなくて、女性からも人気があったよ」
へえ……そうなんだ……。
「ミズキのことを好きになった人は、俺以外にもいたと思う。 ミズキは中身が本当に素晴らしい人だったんだ。 悩んでいる俺の話を黙って聞いてくれたり、慰めてくれたりもした。 ミズキはそんな心の優しい人だったんだ。俺も彼女の、そういう所が好きだった」
ミズキさんもきっと、レイヤに想われて幸せだったのかな?