【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「でも今は……。俺にとっての幸せは、君と子供と幸せになることだから」

「……うん」

 私たちは、お互いに手を繋いで家路へと帰る。
 
 それぞれ、その人なりの幸せがあってこそ、奇跡があるんだと思う。
 その奇跡は一つじゃなくて、幾つもあると思う。

「この子が生まれたらさ、またミズキさんに会いに来ない?」

「え……?」

「この子が生まれたら、ミズキさんにも会わせてあげよう」

 歩きながらそんな会話をしていると、目の前にお母さんと手を繋ぎながら歩く家族が歩いてくる。
 子供はとても幸せそうで、お母さんもまた幸せそうに笑っている。 
 私たちが求めている幸せって、きっとこういうことなんだろうなって思う。 こうやってみんなで手を繋いで仲良く歩くのが、最高の幸せなのかなって思う。

「きっと、ミズキさんも喜んでくれると思うな」

「……そうだな。会わせてあげよう」

「うん」

 私はミズキさんに会って良かったと思う。ミズキさんにも感謝の気持ちを伝えることが出来たし、レイヤに出会わせてくれてありがとうって、そう伝えることが出来た。
 ずっと過去に縛られていたレイヤを、解き放つことが出来て、本当に良かったと思う。
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