【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
「レイヤ……ありがとうね」
「ん?」
「ミズキさんの所に、連れてきてくれて。……本当にありがとう」
レイヤにも感謝しかない。こうして家族になってくれて、私は最高に幸せだ。
本当にレイヤと結婚して、良かった。
「俺こそ、ありがとう」
「え?」
「ミズキに会いたいって、そう言われた時……正直ちょっと悩んだ。今さら会ってもって気持ちと、会いたいという気持ちが混ざってて……。でも、会って良かったよ」
そう言ってもらえると、私自身も嬉しい。会って良かったって思えたなら、良かった。
「……それなら、良かった」
「アユリのおかげだよ。ありがとう」
「私は何もしてないよ」
それを決めたのは、レイヤ自身だから。私はそれを応援したいだけだ。
「さ、夕飯の買い物でもして帰ろうか」
「うん。そうだね」
「今日は俺が作るよ。何が食べたい?」
「本当に?じゃあね……」
なんて会話をしているだけなのに、それが幸せに思えるのは、きっとこの人が愛おしいからだ。
「今日はグラタンが食べたい気がする」
「グラタンか……。いいな、じゃあグラタンにしようか、今日は」
「やった」
私は毎日、これからもレイヤと共に生きていく。