【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「シュークリーム食べようよ」

「食べるか」

 箱を開けると、美味しそうなシュークリームが顔を見せる。

「ここのシュークリームどこの?」

「会社の近くに最近出来た、シュークリーム専門店のシュークリーム」

 なんか早口言葉みたいなこと言ってような……?

「へぇ?シュークリーム専門店なんだ」

「そう。シュークリームしか置いてない」

「そうなんだ」

 シュークリームなんて久しく食べてないな、そういえば。たまに食べると、美味しいよね。

「今日は一番人気の、ダブルカスタードのシュークリーム買ってきた」

「ダブルカスタード?めっちゃいいね」

「やっぱり。姉ちゃん好きだもんな、カスタード」

「うん、好き」

 皮もパリパリで美味しそう。私の好きなクッキー生地だし、しかも。

「ん、美味しい」

「そうか?なら良かった」

「このクッキー生地めっちゃ美味しいよ」

 サクサクのクッキー生地と、甘さ控えめのカスタードの相性がバツグンすぎる。

「美味いな。並んだ甲斐があったわ」

「え、並んだの?」

「まあな」

 カナトが並んでまでこのシュークリームを買ったことが意外すぎて、ちょっとびっくりした。

「意外だね、並ぶなんて」
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